さっきの変なグチみたいな日記書いてて思い出した。
この前、友だちの某宗教団体会員に、人を紹介された。早い話、僕に対する折伏(しゃくぶく)だ。その人も同じ会員で、仮に「石田」と呼んでおこう。
結論から言うと、会ってよかった。と同時に、大学2年のときに僕を懸命に口説いていた会員は、人間的に飛び抜けてだめな人だったんだな、と失礼ながらたぶん正しいことを思った。
石田は比較的背が低くて、体型はがっしりしてて、短く刈った頭には白髪が目立っていた。ちなみに、僕よりひとつ下の24歳だ。
その頭が原因で、中学のときいじめにも遭っていたらしい。そんなこともあって、彼は白髪染めをしていた。
しかし、高校のときに彼女ができてから染めなくなったという。逆じゃないのか、と僕は思ったけど、石田は「なんで染めてたの!って怒られた。すっげえ怒られた」と楽しそうに言った。「嬉しかったよ。嬉しいよね、ありのままの自分を好きになってくれるんだから」。
その言葉に、僕は頷いた。経験してなくても、想像できることはある。それは、確かに嬉しかった。僕だったらそんな子がいたら絶対に離さない。もし仮に別れることになったら死んでしまうかもしれない。
石田の気持ちは読めない。口ぶりからすると別れたようだ。その後、ずっと彼女が欲しい彼女が欲しいと勤行で祈っていたのだという。けれど、なかなかその思いが成就することはなかった。
「俺は車好きでよく改造とかしてるんだけど、そっちには功徳がたくさん出てたりしたんだ」
勤行を繰り返し祈りを重ねると、功徳といって、いいことが起こる。少なくても教義ではそうなってる。彼の場合、車で出てたそうだ。
イエローハットでカーナビを買おうとして契約したら、20万円くらいのものが5万年くらいに値引きされた。「なんでかわかんないけど」。
峠を攻めているときに、コーナーのRの把握を間違ってウォールに衝突、車が真っ二つになり、廃車に。しかし本人にはかすり傷ひとつなかった。救急隊員が驚愕していたらしい。
その後、新車を買うも、破損させてしまう。ディーラーに修理依頼したところ、43万ほどの見積もりが出てきた。と思ったのもつかの間、そこのディーラーの責任者の鶴の一声で一気に7万円に値が下がった。「7万でいいって言ってくれた」。
さらに、修理期間中に廃車からチューンメーカーの上等のパーツ(確かスタビライザーとプロペラシャフト)を拾ったので、それを修理中の車に付けてくれると言われた。料金は込み込みで7万円。またもや「理由はわかんないけど」。
正直、突っ込みどころは随所にあった。功徳があったらそもそも事故自体が起きないはずじゃないのか、とか、修理にしたって破損の程度がわからないし、商売上手なディーラーならやってもおかしくないことではある。ただ、僕は話を聞いてるあいだ、そんなつまらないこと指摘しようとは思わなかった。彼が勤行のおかげだ、日蓮大聖人のおかげだ、と思ってるんだったらそれでいいのだ。誰も被害を受けてないのだから。なにより本人が楽しそうだ。
ただ、石田の体験談はこれからが本番のようだった。
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