僕は今もなお、刹那的だ。
将来自分が大人になったらどんなやつになっているか、そんな質問を子どものころされて、僕は確か「おいしいものを食べ歩きたい」なんてお茶を濁したような返答しかできなかった。
未来、という言葉がきらいだ。未来なんて、なんでも出来る万能なネコ型ロボットが工場生産で作られたり車が宙を浮いたり衛星軌道上にワームホールが出来たりするだけで、僕、すなわち自分とはぜんぜん地続きじゃないと思うから。
就活で「当社で将来どのような活躍をする自分を想像しますか?」なんて問いかけられて「んなもん入ってから考えるわ!寮に入居すりゃあ生活サイクルも変わって交友範囲も広がってひょっとしたら彼女だって出来るかもしれなくって異郷の地に住めば遊びに行く場所も変わってそんだけ環境変わりゃあ自分だって変わっていくだろうが!そんな俺の可能性を狭めるようなクソみたいな質問してんじゃねえボケェ!」と内心答えたいものの、「はい。やはり御社はオリジナリティを高く評価していただける企業だと私は評価しています。ですから、御社に入社できたときには、自分なりの個性、つまりオリジナリティですね、それを十分に発揮して仕事に打ち込み、ひいては自分のプライベートをも充実させる、そんな自分になりたいですね」なんてこれまたクソみたいな抽象的な返答しかできない。こんなクソみたいな抽象的な返答しかできないから内定をもらえないんだろうけれど、こればかりはどうしようもない。
僕は今もなお、刹那的だ。だから未来、という言葉がきらいだ。
そして武田鉄也もきらいだ。
PR