今年のはじめ、IME(Input Method Editor)に、ATOKの無償試用版を導入してから30日くらいが経つ。MS―IMEよりかは数段頭が良くて変換精度が高いそれに、たしかにストレスが減ったことを実感した。
昨日、ネットを巡回してたら新たに、「Google日本語入力」(ベータ版)というIMEを見つけた。辞書にネット上で書かれた文章(Google検索の「もしかして機能」と関連があるらしい、よくわからないが)が入っている。たとえば、「ただしい」と入れた時点で、文字列のすぐ下にポップアップが発生し、ただちに「ただしイケメンに限る」という文字列が候補として出る(サジェスト機能)。「だがこ」と入れると「だが断る」と出てくる。「こちらか」と入れれば「こちら葛飾区亀有公園前派出所」というサジェスト。「すりじゃ」であれば「スリジャヤワルダナプラコッテ」。もちろんそれらを選ばずに通常の変換をすることも可能だ。これはおもしろい、ネタとして入れてみよう、ぐらいに思っていたら。
鳥肌が立った。興奮した。何がいいかって……
1.口語の変換精度
たとえば「そんなことしてきしてんなや」と入れると、ちゃんと一発で「そんなこと指摘してんなや」と変換できる。MS-IMEなら、「そんなこと私的視点納屋」となってしまうところだ。ATOKにも「話し言葉入力モード」があったが、ここまで正確に変換できるものではなかった。ネット上で実際に使われてきた言葉を辞書に含んでいる強みだろう。
「んなこと言って馬鹿じゃねえの」「そんじょそこらの有象無象に!」「てっぺん登っちゃってケツカッチンなんですよねー」。いずれも一発で変換できる。試しにMS-IMEでやってみてほしい。できないから。キテレツな文章が出てきて全削除するハメに陥る。
もっとも、この機能はきちんと文節ごとに変換していく人には無用の長物だと言えるかもしれない。ATOKでもちゃんと知識をもって調整すれば変換精度は増していくのだろう。でも、次の利点はそういう、人の使い方に左右されない強力なものだと思う。
2.人名サジェスト
僕はエディターで読書リストを作成している関係上、作家の名前をよくタイプする。そのときに、今まで、作家の名前の入力に苦労することが多かった。しかし「Google日本語入力」の「サジェスト機能」は強い。
「山崎ナオコーラ」「法月綸太郎」「麻耶雄嵩」「城崎火也」「北森鴻」「桃森ミヨシ」「ひぐちアサ」「谷川流」「犬村小六」「羽田圭介」「海堂尊」「原」「二階堂黎人」
あるいは作家以外でも、「呂布奉先」「劉備玄徳」「白河ことり」「朝倉音夢」「江戸川コナン」「涼宮ハルヒ」「渚カヲル」「犀川創平」などのキャラクター名から、「小野晋吾」「小宮山悟」「諸積兼司」「西岡剛」「里崎智也」「薮田安彦」といった野球選手の名前まで、最初の3文字4文字程度を入れた段階でサジェストしてくれる。
これで「読みはわかるけど書きがわからない」状況で、わざわざ調べ物をする必要がなくなった。また、重要なのは、特殊な漢字を持つ人もそのまんま出てくるということだ。たとえば「麻耶雄嵩」の「雄嵩」の部分。これは「ゆたか」と入れても出てこないので、本来なら「おす」「こう」とでも入れて、ひとつずつ変換していかなければならなかった。それが、「まやゆ」と入れた時点でポップアップが出て、一発変換が可能になる。「城崎火也(きざきかや」に至っては、どう考えてもふつう、「きざきかや」では出てこない。人名などの特殊な単語はユーザー辞書に登録して使うのが常だが、「Google日本語入力」の場合、登録の手間をかけることなく最初から入っているのだ。初めて入力するときにもストレスフリーなのだと言える。
そして、これはもちろん、人名だけでなく物の名前、国の名前、地域の名前、すべてが(製作者の判断した範囲で、か?)入っている。たとえば「しんだい」と打つとちゃんと「新大」が出てくる。
3.フリーアプリケーション
これが「フリー」だと言うのだから驚く。ATOKはいちばん高いグレードで3万円弱、安くても6千円からだ。けれど「Google日本語入力」はタダ! もはやこれ以上の説得の言葉を持たない。
※こういうライセンス的なものはよくわかりません。今はベータ版だから試用できるけど、将来開発が進めばシェアウェアになる、ということなのかもしれない。
すごい興奮したし、鳥肌立ったからこんなふうにGoogleの宣伝をしようと思った。
人から聞く話だと最近Googleがやばいらしい。たしかに、僕のパソコンはもう1年くらい前からブラウザにGoogle Chromeを使っているし、今回これでIMEにもGoogleを使うことになった。2010年末にはOS(Google Chrome OS)も出るらしいし、なんかますますGoogleが日常生活に食い込んできているような気がする。ちょっと前までGoogleなんて、ちょっとシンプルでいい感じの検索エンジンなんだとしか思ってなかったんだけどなー。
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