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藤木
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41
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男性
誕生日:
1985/01/15
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 初日、僕が配属された班は、いちばん過酷だと言われるほど忙しいところだった。流されてくる荷物を集配所ごとに仕分けしてまた発送するだけの仕事なのだけど、その荷物の量が半端じゃなかった。少しでも動きを止めると、冗談じゃなく全体のラインが停止するほどの忙しさだった。汗が大量に流れて床にいくつもの染みが広がった。やってもやっても荷物の量は少しも変わらず、そして荷物を入れるボックスの数ばかりが減っていく。そのボックスを適宜補充するように僕は命じられた。「大事だ」と言う彼の言葉は、僕にも理解できた。ボックスの補充を怠ったら荷物を処理できなくなって、ラインが止まってしまうからだ。
 だからこそ僕は荷物を処理しながら、ボックスの数が減ってくると50mくらい離れたところにある「空ボックス置き場」からボックスを引っ張ってきて補充することを繰り返した。
 でも、何度目かに僕がボックスを引っ張っていったとき、それを見た彼が「もういらねえ!」と言った。それは、冷静に考えれば「荷物の量が減ってきてもうボックスも必要なくなるから持ってこなくてもいい」ということだったのだけれど、忙しさにテンションがハイになっていた僕は、つい彼に「あぁ!?」とけんか腰の返事を返してしまった。


 思ったよりだいぶ長くなった。でも、そういうわけで彼が僕を嫌うのは、僕に原因があった。そのうえ仕事をなかなか覚えない、とあっては、嫌われるのは当然だと言えた。生意気で、かつ仕事もできない、というわけだ。


 仕事中、彼のご機嫌を窺ってびくびくすることが多かった。狭い職場で彼とすれ違うとき、避ける体が無意識に大仰になった。彼が休みの日は心が落ち着いた。仕事中、また明日彼と仕事をするのだと思い出しては暗くなった。
 一時期、どれだけやめてしまおうかと思っていた。毎日仕事に出るのが苦痛でたまらかった。他のバイトに乗り換えた場合、どのくらいの給料差が発生するのか冷静に計算した。

 けれども結局、僕はやめなかった。給料自体はともかく、勤務時間がうってつけで、他に代わりになれるバイトが無かったというのもあるけれど、それよりも、ここで逃げたらこの先また逃げ続けるような気がしたからだ。逃げ癖自体は今だに健在だけれど、少なくとも一度自分から始めたことから逃げるのはどうかと思った。ただの意地だった、と言い換えてもいい。
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