いろんな人がいる。意外な人がはるかに年上だったりする。
初日、僕と同じセクションの同じ班に配属された人がいた。かりに「山田さん」と呼ぶ。その人は学生に見えた。仲良くなっておこうと思ってこちらから話しかけた。しゃべってるうちに自然とタメ口が出ていた。しばらく話したあとに、「ところで」と切りだして年齢を訊いた。31歳だと言われた。7つ年上といえば、僕が小学校6年生のときに高校3年生で、彼はそのころ進路について悩んでいたのだ。
27歳の社員は僕のことを「田代さん」と呼び、山田さんのことは「山田くん」と呼んだ。年齢についてお互い教えあうと、その社員は「ああじゃあ俺と大して変わらないんだ」と言った。「同じくらいかな、と思ってたんですよ、落ち着いてるから」。
彼は以降、僕のことを「田代」「田代くん」とふたとおりで呼び、試行錯誤していたようだったけれど、ときどき「田代さん」とも呼んだ。どうもそっちのほうが収まりがいいらしかった。最近になってようやく「田代くん」で統一がとれてきた感じだ。けれど、山田さんのことは最初から今でもずっと一貫して「山田くん」と呼んでいる。
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