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 友だちと、新潟にある「アフタースクールカフェ」というメイド喫茶に行ってきた(参考:http://www.afterschoolcafe.net/)。

 こんなことが無い限り絶対に寄り付きもしなかった雑居ビルの入り口を潜って、狭いエレベーターで3階へ。3階の、さらに奥まったところにこれまた小さな入口があった。「音漏れ防止のため扉を閉めています」と書かれてある。風俗店みたいな立地。一見さんお断りといったような雰囲気がしてなにやら緊張する。
 ドアの向こうには日本間でいうところの10畳くらいの空間が開けていた。ふと、近くのメイドさんが僕らに気づいて「いらっしゃいませ。初めてですか?」と話しかけてくる。頷くと、「当店のシステムを説明させていただきます~」「禁則事項について説明します~」と来る。いわく、従業員の個人情報をしつこく聞き出すこと、従業員の体に触れるなど嫌がらせをすること、写真撮影をすること、など。まんま風俗店の来店時そのままで、なんというかビジネスライクだ。噂で聞いていたメイド喫茶はもっと異空間で、居たたまれないような恥ずかしい空気が常に流れているという印象があったから、あっけに取られた。新潟最初のメイド喫茶として、東京のそれらと比較して差別化を図っているのだろうと僕は分析した。しかし、「お席にご案内します」と言われて後ろを付いて行ったら、舌っ足らずな声で「お帰りなさいませ、ご主人さま~!」と彼女がいきなり声を張り上げた。それに反応して他の子も「ご主人さま~!」とリピートした。
 異空間に入り込んだ瞬間だった。


 相談して、友だちはデレデレカクテルを、僕はツンデレカクテルを頼んだ。まずはデレデレの方が来た。
 メイドさんが友だちの前に立ち、「ご主人さまに喜んでもらおうと思って一生懸命作ったの。おいしく飲んでね」と言ってにっこり笑う。「おいしくなるおまじない、一緒にして?」と言われ、「萌え萌えキュンッ!」と両手でジェスチャ。友だち、心なしか顔が赤い。
 続いてツンデレが来た。コースターを置いて、カクテルをテーブルにドンッと置く。コースターの上にきちんと載っていない。なにか言うのかと思って待ってると、「せっかく持ってきてあげたんだから早く飲みなさいよ」と言う。慌ててひと口あおる。普通においしい。「おいしいです」と言うが反応が無い。ちらりと彼女の顔を見上げ、もう一度「おいしいです」と言う。「は?」「え、いや、おいしいです」「おいしいんだったらもっと大きな声で言いなさいよ」
 僕は若干声を張ってさらに「おいしい」と言った。「……ストローは!?」と言われ、ぶっきらぼうな感じで差し出される。ストローを受け取る僕の手が震えている。慌てて差し込んでもうひと口チュー。「おいしいよ」「……ほんとに?」「うん、ほんとに」「……おいしくなかったらどうしようかと思ってた」俯いている。かわいい。「ううん、おいしいよ」「ご主人さまに喜んでもらおうと思って一生懸命作ったの」「ありがとう。おいしい」
「……っ!いつまでもニヤニヤしてないでさっさと飲みなさいよっ!」
 髪の毛を振って顔を背け、彼女は足早に去っていった。堪らず僕は大笑いしていた。
 まあ結論だけ言おう。ツンデレサイコー。
 

 ちなみに。ツンデレカクテルの格上に「スーパーツンデレカクテル」もあったのだけれど、怖くて手が出なかった。今度行くことがあったら試してみたいと思う。
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